ゆんぬ&ウルズンの日々♪

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<<   作成日時 : 2006/05/17 10:29   >>

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「おはよう・・・はい、牛乳よ」 ・・・いよいよ暑い一日の始まる、初夏の朝。

ヨロン中央商店街には、珍しく、夜露が朝靄に昇華し早朝の茶花商店街を深く淡いミルク色のベールとなり覆っていた。 一瞬・・・英国の霧のロンドンとはこんなものかな?と、まだ、見たこともない異国の朝を、筆者は夢想していた。 

「すみません、いただきます。 いつも、有り難うございます。」 気を揉みながらも、感謝の気持ちを胸に、ひんやりと胃に染みる新鮮な牛乳を一気に飲み干した。 その牛乳瓶の冷たい感触の余韻がいまだに、手の掌に残る。

茶花商店街の西端付近にあるM商店は、この地区でも老舗中の老舗である。日用雑貨から酒・タバコまで、殆どの生活関連用品を幅広く揃える、当時としては大きな、今風で言えば、街のスーパー的な存在として、茶花地区住民の生活を支えていた。 

このM商店の担い手は、冷たい牛乳を頂いた、心優しい美人の奥様(Mおば様と呼ぼう)であった。 すべてのお客様への細かな気配り、懇切丁寧なサービスは多くの人の信頼と高い評価を得ていた。まさに、商店主の鏡として評判が広まっていた記憶がある。 いまは、お店の屋号も今風に変わり、「アイ・ショップ」なるお店の名前で親しまれている。 長男のHさんが立派に後を次ぎ、Mおば様の威光を今に伝えている。

ちなみに、Hさんは知る人ぞ知る、クラシックギターの名手でもある。 数多いレパートリーの中、「月光」の深みのある演奏は、今でも筆者の耳の奥でこだましている。 ギタリストとしての才覚をヨロンの地で活かせる日も来るのだろうか・・・ 是非、その日が到来することを心待ちにしている。

・・・実は、次男坊のK君は筆者の同級生で、幼少の頃からの無二の親友として、今でも親交が厚い。 気さくで暖かく、万人を惹きつける彼の人柄は、まさに、母親ゆずりである。 高校時代も、スポーツ万能、成績優秀、人徳高尚、そして何よりも感情豊かで芸術的センスもなかなかのものを持ていた。 特に、絵画は抜群のセンスをもっていた。 それらは、総て、天性のものであった。 その後、彼の絵を見ることが出来なくなった事は、非常に、残念なことである。 

K君は、常に、クラスや同学年はもとより、学校全体のホープ的存在であったことは言うまでもない。 今は、念願の医道をまっしぐら、生命の尊さと、医療技術の発展に邁進している。 彼の最愛の従兄弟の不治の病による死を境に決意した道、行く末は、その志をヨロンの地で全うして欲しいと願う。

登校前の詰め襟姿の高校生。 きりっとした一瞬が漂う。 筆者の胃が、さきほど頂いた、冷たく貴重な牛乳の洗礼を受けている感触を、実感していた。 筆者は、友人K君を、その自宅・M商店前で待っていた。 たいてい、数分くらいでK君が出てくるのだが、その日はいつになく、長引いている様子。
そして、揃って、雑談を交えながら学校へと急ぐ。 

ときどきではあるが、なにがしかの用事のある折りには、そのような光景が繰り返され、そのたびにMおば様から、いろいろな気遣いをいただいた。 筆者の境遇を察しての事であることは、十分に推察できた。 また、ことあるごとに、暖かいお励ましの言葉や、親身になってご相談をさせていただいたことも、昨日のことのように鮮明に覚えている。 おそらく、K君はこのことを知らないだろう・・・・

当時の牛乳は、本当に珍しく、とても貴重な飲料であったことは間違いない。 わざわざ内地から、冷蔵船で運ばれて、ようやく商品として、限られた住民に販売されていく商品である。 恐らく、友人のK君自身も、滅多に口にできないような、大切な商品であったものと推察する。 

さりげなく、その貴重な品を差し出す、Mおば様の心は、今でも、筆者の胸に熱く残る母の思いやりである。 その後も、ことある毎に、物心両面に渡り、様々な形でご支援や励ましの言葉を、ごく自然に頂いたことを覚えている。 感謝の限りである。

そのような心優しく、ふくよかで美しい面立ちに、常に笑みを浮かべて、訪れる人の総てに接し続けられてきたMおば様は・・・・ もう、この世の方では無い。 数年前に長寿を全うされ、安らかな天の地に安住、永眠されてしまった。  

奇しくも、ご逝去された日、即ち、命日は・・・・ 筆者の誕生日でもある。 不思議な縁を感ずる。

肉親以上に、また、他のどなた様よりも、はるかに心に響く励ましと、内面へのいざないと、行いを頂いたMおば様・・・ 心の母としての想いを熱くする限りである。

命日を前に、ヨロンの地に降り立つ機会がある。 強く引き寄せる、ある縁があってのこと。 

・・・・真っ先に、心の母の墓前に行こう。 蒼く澄み渡る海と空が一望できるところに、Mおば様の終の住処が在ると聞く。 きっと、そこは、Mおば様にもっとも相応しい舘・・・ 天国の園へ、まっすぐに通ずる路と信ずる。 

心からのお礼と祈りを捧げよう・・・ そして、清らかな天のMおば様に、心でお会いできるよう、いまから、その日を待ち望んでいる。

・・・ <合 掌> ・・・


★☆木の葉みたいな東洋の真珠「ヨロン島」情報へもお越し下さい。☆★

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コメント(2件)

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今晩は・・・ロイさん(ですよね?)!
大晦日にヨロン島の中央通りから海岸へと友人と散歩しながら、アイショップに立ち寄りました。 そう言えば、このお店は、私がヨロンへ来る前に読んだブログの舞台になったお店なんだ・・・心優しいおかみさんとのほのぼのとしたロイさんとの関係が、鮮明に思い起こされ、なにか懐かしい?感慨がよぎりましたよ。 ずっと以前の事だから、今とは町の様相も違うかも知れませんが時空を超えた古き良き日のヨロンの下町(東京でもそうですが)の事を想像させられました。 私は浅草の生まれの40代ですから・・・良くその情景が分かるような気がします。 ロイさん、一度、お会いしてみたいですね。

2007/01/19 00:27
こんばんは、愛さん。
 素敵な名前ですね。大分遅くなり、拍子抜けした返事でご免なさいね。
年末にヨロン島のメインストリートを散策・・・アイショップはその西端にほど近い起点・ランドマーク的な老舗ショップですよね。 
 愛さんは浅草の生まれ・・・ことある毎に雷門や浅草の下町は良く散策させて頂いております。殆ど、海外からのお客様がお見えになるときに、東京の伝統的なダウンタウンなる場所を案内するとなると、浅草界隈になってしまうことも理由の一つです。 最近、森鴎外の居宅がホテルになった宿を発見!努めて、お客様へ宿泊をお勧めしております。ご存じ?上野駅から徒歩5分位の所ですが、とっても雰囲気の良いお宿(ホテル)です。
 どこの地や場所でも良いですが、何か、自分と特別に関わりが感じられるものがあるって事は良いですよね。浅草もヨロンもその意味では、お互い、共通の縁のある良い場所・・・かもしれませんね。
 して・・・ヨロンでは良い想い出はございましたか?また、ついでの時にでもブログへ投稿して下さいね。 今後とも、宜しくお願いします。そして、与論島の事も・・・ネ?
ロイ
2007/02/10 00:45

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